隅っこの部屋

驚きの明治工藝 (川越市立美術館)

驚きの明治工藝
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入ってすぐの目立つ所にまず、大きな龍が釣ってあり、ライティングで影の演出もされていて目を引く。
今回の展覧会は、2作品を除いて写真撮影OKとの事で、どういうアングルで撮れば、
この繊細な細工と龍らしい迫力を出せるのか、しばし没頭する。
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ここからしばらく、自在置物がつづく。鱗で繋がれた体や関節が本物のように動かせる作りだ。
蛇はコマ撮りアニメーションで動く様子も展示されているが、姿だけでもなかなかのリアルな存在感だ。
やはり大きさは大事な要素で、同じような創りでも小ぶりな左の方が断然かわいらしい。
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ほとんどがまるで本物のように作られたものばかりだが左の魚はデフォルメされているように見える。
そっくりに作り切れなかったのか、写実の先に進んだものなのかどっちだ。
すごいと思うのは右の方だが、左の方に味があるのは確かだ。

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この後エビや虫などまるで本物のような細工物が続き、どれも驚くようなものばかりだったが、
個人的には自在ものを離れた工芸品の方に惹かれるものが多く見つかった。
動いてこその自在もので、会期中ポーズ替えもあるなど工夫を凝らしているが、手に取る事はできないので
鑑賞するとなると「本物みたい」というところで止まってしまう。
だが後半の工芸品は、それぞれが美術品としての個性もあるため、感性に合うものは本当にずっと見ていたくなるような
好ましさで鑑賞できる。

小さいゆえの愛らしさを感じるもの
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グラデーションが美しい宮川香山の「染付菖蒲文花瓶」(左上)と
セットで使っているところを想像したくなる林谷五郎の「台子飾皆具」
「林谷五郎 台子飾皆具」で検索すると、裏側に描かれているかわいらしい「謎生き物」も見られる。
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     皆具の方はちょっとだけ、さくらももこの描く文様っぽい。


今日一のお気に入り  周山の「薩摩焼竹図花瓶」
花瓶の形そのものが絵に生きていて、
金色なのに渋くて上品。さわさわと風に吹かれる音まで聞こえてきそう。
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左の二つは絵が表現方法としての技法と合っていてすてき。
          (「雨中橋図蒔絵煙草箱」「月下狸図硯箱」)
右上はすっきりしていてかっこいい。
          (加納夏雄「梅竹文酒爛器」)
右下は日本画によく見るタイプの犬だが、片切彫の絵柄としては意外性がある感じ。
          (海野珉乗「犬図薬缶」)
 わんこだと思うと持っていて楽しくなりそう。
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個性的な生き物たち。ライオンと狸は板からの"打ち出し"
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易信「蒔絵螺鈿芝山硯屏」
 華やかで極上の細工。だけど、背景が金色、というよりシンプルな金属板に見え隙を感じる。そこが好き。
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こういう展覧会は、欲しい物探しをする感覚で見るのが楽しい。今回は特に写真OKなので、
実際にモノは手に入らなくても映像が残るのでとてもうれし楽しい。


  1. 2017/05/31(水) 16:57:27|
  2. 美術展・展示会など
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